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切通理作
2017.8.24 23:04

「個人の感想」


 
木蘭さんが「個人の感想」という言葉を繰り返されているのを見て、本来個人の感想は個人の感想であり、時に意見交換や議論することはあっても、たとえば日々SNSで無限に自己承認を求めるのは不健康であり、そうした承認欲求が、誰かを叩いて褒められたいという同調圧力を生む原因なのかもしれないなと思いました。

 

 秋元さんの詞は挑発的なタイトル、内容ですが、被害を訴える/訴えないということとはべつに、出口を探しもがく閉塞した自分の感覚に、承認はいらないという態度を表明しているようにも思えました。

 

 声を上げない人の中にある、無意識の感情を、浮き彫りにするのが、ドラマであれ詞であれ、表現の力だと思います。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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